(株)東名小山CC、約2万名の債権者抱え破産手続開始。7月6日申立で同日開始決定、負債は約175億円。管財人はHP開設し、配当可能性低く債権申出不要と!ギャツビイGC(静岡)がプレー希望の会員継承へ
(株)東名小山カントリー倶楽部は、7月6日に東京地裁へ破産手続開始を申し立て、同日破産手続開始決定を受けた。申請代理人は浅香寛弁護士他。破産管財人には藤井哲弁護士が選任された。
管財人は、債権者へ通知し「東名小山カントリー倶楽部破産管財ホームページ」(https://tomei-kanzai.jp/)を開設。債権者からの破産手続等に関する問い合わせは、破産管財人室または、「お問い合わせフォーム」で受け付けるとし、破産手続に関するQ&Aも詳しく掲載している。同資料によれば負債総額は約175億3195万3222円(うち預託金返還請求権約167億円)、債権者数約1万9820名。
債権者には順次、東京地裁より「破産手続開始通知書」が送付されるが、本件については、裁判所の決定により、破産債権の調査を留保する取扱いとなっていて、現時点では債権届出は不要という。債権者が多数かつ各地にいて、債権者集会の開催も予定されておらず、同HPにて破産手続に関する情報提供を行うという。
破産会社からの説明として、破産手続開始の申立てに至った経緯・理由は、破産会社は昭和50年代からバブル期にかけて、当時の経営陣が、会員権を乱発して、多額の預託金を集めたものの、ゴルフ場をオープンさせることができなかったことで混乱を招き、窮境に陥った。その際、破産会社は(株)ゴルフサービスの支援を受け、同社がゴルフ場を完成させて平成元年以降、「ギャツビイゴルフクラブ」として運営し、破産会社の会員もギャツビイGCに年会費を支払うことを条件に、同ゴルフ場でのプレー権(施設利用権)が認められることになった。そして、会員に対する多額の預託金返還債務を抱える破産会社は、大幅な債務超過の状態にあったが、所有していたゴルフ場の一部施設等をゴルフサービスに賃貸し、その賃料収入を得るなどの形で同社の支援を受けながら存続し、会員対応を継続した。しかし、破産会社は、公租公課の滞納処分等を受け、資産の売却を進めた結果、最終的に見るべき保有資産がなくなり、令和5年5月をもって、ゴルフサービスとの賃貸借契約も終了、賃料収入を得ることができなくなり、これ以上の会社の存続は困難と判断し、今般、破産手続開始の申立てに至ったとしている。
破産手続開始にあたり、破産会社からは、少なくともギャツビイGCに年会費を支払っている会員については、令和5年12月までのプレー権が認められるとの報告を受けているが、今後のギャツビイGCにおけるプレー権等の取扱いの詳細については、同GCに直接お問い合わせ下さいと報告している。
ちなみに(株)東名小山カントリー倶楽部は5月25日より会員権の名義書換えを停止していた。
ギャツビイGCの小平田尚久支配人は、「(株)東名小山CCはコースが完成できず、(株)ゴルフサービスがコースを完成されて、クラブハウスも所有しています。すでに東名小山CCの資産は一部の橋など見るべき資産が残っていませんでした。まだ詳細は固まっていませんが、同CC会員債権者でプレーを希望する方は当GCで引継ぐ考えです」と説明している。同GCとしても約500名の会員が在籍しており、今回を契機に同GCで一本化されるそうだ。
東名小山CCに関しては1993年などに、会員数は4万4000名に達し、優先的にプレーすることが不可能な債務不履行だとして東京地裁などから預託金等の返還命令を受けた経緯もあり、茨城CC事件で逮捕された関係者が関与するなどゴルフ界の大量会員募集問題の象徴だった。
(ゴルフ特信より)