2022年ゴルフ参加率、5.3%で20年と同等に。「レジャー白書2023」速報、国内旅行1位に復帰、仕事より余暇を重視、潜在需要は「海外旅行」が1位、コロナ明け様相、年間出費はゴルフが海外旅行に次ぐ
公益財団法人・日本生産性本部の余暇創研は7月14日に「レジャー白書2023」(今年秋発行予定)の速報版を公表した。同調査は2023年2~3月に全国15~79歳の男女を対象にインターネット調査(有効回収数3306人)で行った。公表された主なポイントは、次の通り。
【仕事より余暇を重視する割合が年々増加傾向】。仕事(勉強や家事を含む)と余暇のどちらを重視するかは、63.9%が余暇を重視する傾向。特に「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」の回答率が20年以降増加した。
【余暇活動参加率では、「国内観光旅行」が1位に復帰】。余暇活動の参加率は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が、前年(21年)から1ポイント上昇して42.8%となり、19年以来の1位となった。しかし、コロナ禍前の1年の参加率の水準(54.3%)には戻っていない。「ドライブ」(5.7ポイント増)や「外食(日常的なものは除く)」(2.4P増)など外出を伴う種目に上昇傾向がみられる。性別でみると、男性は前年に続き「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」が1位。女性は「国内観光旅行」が32.8%から45.4%に大きく上昇し1位となった。
【潜在需要は「海外旅行」が1位】。各種目の希望率と参加率の差を「潜在需要」として算出すると、前年(21年)1位の「国内観光旅行」は、参加率の上昇に伴って減少し、2位となった。一方で「海外旅行」は潜在需要の減少幅が「国内観光旅行」と比べて小さいため、1位となった。
市場規模及び各産業の動向、余暇活動参加人口については、秋発行予定の白書にて公開となる。
今回速報では余暇活動108種目の参加率や年間回数、年間平均費用、参加希望率が発表された。
ゴルフ(コース)参加率は5.3%で前年の5.7%より0.4Pダウン、21年レジャー白書と同じで過去最少となった。年間回数は14.6回で前年の17.2回より2.6回、15.1%少ない。対して年間平均費用は18万3200円で前年より4万7400円、34.9%も増加した。参加希望率は7.3%で前年と同じであった。参加人口は未発表だが21年レジャー白書と同じ5.3%であったため、21年のゴルフ人口520万人と同等か、下回る可能性がある。ゴルフ練習場は参加率は5.2%で前年の5.8%より0.6Pダウン、年間回数は20.2回で前年の19.7回より0.5回、2.5%増加、年間平均費用は2万7800円で前年より200円、0.7%上昇した。
20~21年にはコロナ下での行動抑制の影響が目立ったが、22年は旅行やドライブなどが上位に復活するなどでコロナ明けの動きとなり、逆にコロナ下で注目されたゴルフ練習場やゴルフ(コース)は消費は増えたものの参加率は早くもコロナ前に戻りつつあることを示した。
ゴルフ(コース)の年間費用18万3200円は、22年に参加率1.8%だった海外旅行の30万1200円に次ぐ2番目だった。プレー料金の値上げや、若者のゴルフ参加増もあって、休日のビジター利用割合が増えたことも平均金額の上昇となったと考えられる。ゴルフ業界としては、危機感が増す調査結果となったが、サンプル調査で上下に振れやすく、ゴルフ場利用税に基づく利用者数など実態をベースに補正して分析する必要がありそうだ。
ちなみにスポーツ庁が2万人を調査した令和4年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、ゴルフ人口(コース、参加率6.4%、607万人と推定)、「ゴルフ練習場・シミュレーションゴルフ、5.4%、512万人)」で、ゴルフ(コース)実施者と練習場のみ実施者を合算した「ゴルファー」は全体7.5%で、人口にして711万人と推定できていた。
(ゴルフ特信より)